ネーレイスとオリキャラ副官達の小ネタ2本 - 1/2

すみません超オリキャラ祭りです……脳内妄想がたぎってきてしまって……。


 

初めて「カップ麺」に触れる箱入り娘なネーレイス。友情出演お兄ちゃん。

★★★

「買い出し行ってきました~!」
 
ポセイドンフォースの執務室。緊迫した空気をぶち壊すかのように明るく……疲れ切った声が響き渡った。ドアを騒々しく開けて駆け込んできたのは、スーツ姿の女性。両手には大きな袋を抱えている。
 
その女性は重そうにその袋を持ったまま歩みを進め、一歩、踏み出したところで何もないのに何かに躓いて派手に転んだ。袋が宙を舞い、部屋中に悲鳴が響き渡り、たまたま打ち合わせのために来訪していたアポロニオが飛び散る様々な物体を見事にすべてキャッチしてみせる。
 
「大丈夫か?」
「はいぃ、大丈夫です~」
 
両手にいろんなものを山積みにしたアポロニオが、心配そうに声をかける。床に這いつくばったままの女性は泣きそうな顔を上げた。目の前にいる憧れの「アポロンVI様」の前で無様な姿を見せてしまって、恥ずかしいやら悔しいやら。
 
「本当に大丈夫ですの? ケガしていませんの?」
「すみません~! 顔面からいきましたけど、頑丈さが取り柄なので大丈夫です!」
 
上司でもあるポセイドンIIことネーレイスが慌てて駆け寄ってきた。かけられた声に、女性はむん!と腕に力こぶを作るような仕草で答える。ネーレイスは少しだけ頬をかきながらもじろじろと部下の体を見て、少し鼻先を赤くしただけだと確認してからほっと安堵の息をついた。
 
次からは気を付けてくださいまし、とネーレイスが優雅に上司らしく振舞うのに、女性もはい!と元気よく答える。まあ、そういってそれが守られたことはこれまで一回もないのだが。
 
小柄な少女にぺこぺことする成人女性の図、も新体制になったポセイドンフォースの風物詩になってきた。新しいポセイドンIIはまだ十代の少女。となると、それを補佐する副官も女性が良いだろう、ということで、この女性に白羽の矢が立ったのだ。セイレーンの神話還りで、先代ポセイドンII同様に年齢層が高いポセイドンフォースの中でほぼ最年少に近く、それでいてキャリア課程を修了しているヒーロー。
 
……実際、配属されてからは事務仕事について特に問題も起こさず、スムーズに引継ぎを終えて毎日バリバリと働いてくれている。人当たりの良さから、ネーレイスとも話が合うようで、先代のむさ苦しく前時代的な執務室とは打って変わって明るく華やかだと(主に男性職員から)評判だ。
 
そんな二人のやり取りが一段落したのを見てから、アポロニオが言葉を発した。ポセイドンフォースという他所の部署でも、自然と音頭を取る形になるのはやはり本人の根っからのリーダー気質……もとい、学級委員長気質だろうか。
 
「では、打ち合わせを一度止めて夕食にするか」
「そうしましょう。ええっと、買ってきてくれたのは……何かしら、これ」
 
テーブルの上に並べられた数々の品物に、ネーレイスはこてり、と首を捻った。そんな少女を、アポロニオは面白そうに見る。
 
「ああ、君は相当、父親に大切にされていたからな……こういったジャンクなインスタント食品を食べたこともないのか」
「ジャンク……そうですわね、我が家はお母様がずっと家にいましたし……」
 
ジャンク、という言葉に反対側に首をひねりつつ、ネーレイスはアポロニオの言葉に概ね同意した。母親が専業主婦であったネーレイスの家では、いつも母親の手作り料理だったのだ。
 
「これはカップ麺だ」
「カップ、麺……」
 
遅れて、ネーレイスは驚いたように一つのカップを手に取った。しげしげと眺めてみて、確かにそれがCMで見たことがあるものだと気が付く。
 
「まあ! わたくし、カップ麺初めてですわ!」
「ほほう! ゴッドナンバーズとなったからには、有事の際にこういったインスタント食品を食べることも増えるからな。作り方を覚えたほうがいいぞ」
「はい、勉強させていただきます!」
 
……こうして、胸を張るアポロニオも、アポロンVIとして就任した当初にカップ麺と初遭遇をした人間だ。そして、急いでいたからろくに説明文を読む暇もなく、乾麺をそのままバリバリ食べたという苦い記憶がある。ちなみに、その後、無事に先代ポセイドンIIにインスタントカップ麺の作り方を教えてもらったのだ。
 
まさかこうして自分がその娘にカップ麺の作り方を教えることになるとは……どことなく感慨じみたものを覚えながら、アポロニオは、まずパッケージの説明文を読ませるところから始めたのだった。
 
 
そして、上司とその同僚でもあり圧倒的目上の人間がカップ麺を和やかに作って、ずるずると啜る姿をポセイドンフォースのメンバーは何とも言えない気持ちで見守るのであった……。

 


いやさすがにネーレイスもカップラーメンぐらいは食べたことあると思うけど。お嬢様だから無かったら面白いな、と思って。アポロニオの方はそもそも幼少期の家庭環境が謎すぎるから(たぶん両親は早くに死去してただろうし)カップラーメンと接触経験があるのか謎です。

そういうわけでオリキャラの女性副官でした。なんとなく、ネーさん着任と同時に採用された「新人副官」なイメージがあって、ドジッ子だったら面白いなあって。そんな妄想したら止まらなくなった。

ちなみに公式では副官じゃなく「副隊長」なんだよね。でも自分の中では副官でずっと続けてきちゃったし、副官と副隊長だとだいぶ世界観のニュアンスも変わってきちゃうので、まあ二次創作だしいいかの精神で使いたいときは今後も「副官」で通すと思います。

一応、副隊長設定が出てきたJC以降はなるべく「部下」という単語を使って濁しています。あんまり副官って使わないようにしてる。

次はもっとオリキャラが目立つ話です。